アイヌと自然デジタル図鑑

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アイヌの伝承

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ID
1066
伝承者
川上まつ子さん

川上まつ子さん
平取町

日本語名
P0139
シナノキ
伝承者のアイヌ語名/日本語名
【ア】ニペシニ
【日】シナ シナノキ
伝承
・細すぎもせず太すぎもせず、ストーブの煙突くらいの太さのシナノキの皮をはぐのが一番いいのです。根元になたで切り込みを入れ、上に向かってはぎます。木から樹皮がはがれないときには木を切り倒します。[切り倒した後のひこ生えの芽が出て]8本も10本も皮を剥ぐのにいい若木が一カ所に生えた樹皮をはぐこともありました。34628、34633
・灰を入れて煮て作った糸は丈夫でした。墓標に巻く黒白の紐、編み袋、荷縄などはシナノキの糸で作りました。34675,34727
・編み袋を作るのは、沼につけて作った糸を使いました。強くはないけれど柔らかいのです。34729
・アットゥシ織を実際にやったのは40歳を過ぎてからでした。オヒョウではなくシナノキの糸で作りました。煮て作った糸を縦糸にし、沼につけて作った糸を横糸にしました。34734,34736
・シナ皮を剥ぎに行き、クマに襲われるような気がして恐ろしい思いをしたことがあります。34602,34607
・火にくべるのには適していませんでした。34685
ID
1067
伝承者

黒川セツさん
平取町

日本語名
P0139
シナノキ
伝承者のアイヌ語名/日本語名
【ア】ニペシニ
【日】シナ シナノキ
伝承
・おばあさんが5,6月に皮をはいで来ました。細い木は全部はぎましたが、太い木は3分の1くらいはぎ残しました。そうすれば枯れないのです。おじいさんは冬でも皮をはいで来て、炉端で縄ないをしました。樹皮(内皮)を細く裂く作業を手伝うとほめられました。35280
・糸にするときには、煮ると色が黒くなり、沼につけると色が白く仕上がりました。35280
ID
1068
伝承者
山川 弘さん

山川 弘さん
帯広市

日本語名
P0139
シナノキ
伝承者のアイヌ語名/日本語名
【ア】クペレケプ
伝承
・6月の中過ぎから7月に樹皮をはぎます。手の届くところになたで切り込みを入れ、上から下に向かってはぎます。オヒョウは反対に下から上にはぎます。糸にするには、沼に何日かつけておき、黒くなったら一枚一枚はいでから細く裂いていきます。30109
・縄や編み袋、わらじを作りました。でもわらじはぬれたらすべって危ないので、ブドウヅルで作るのが普通でした。30109
ID
1069
伝承者
織田ステノさん

織田ステノさん
新ひだか町静内

日本語名
P0141
ヤマブドウ
伝承者のアイヌ語名/日本語名
【ア】ハッ(全) ストゥカプ(つる)
【日】ブドウ
伝承
小さいつるをとってきて、耳環のために開けた耳たぶの穴がふさがらないよう穴に通しておきました。34445
・わらじは丈夫で暖かいものができました。足に布を巻き、その上にちょうど今でいう編み上げの靴のようにして履き、雪の中をまき拾いに歩き回りました。川の中の石を踏んでも、氷の上でも、山の傾斜地でも滑らずに歩けました。34101,34156
→口承文芸資料「オオカミ神の娘がポイヤウンペの息子を育てる」34182
ID
1070
伝承者
川上まつ子さん

川上まつ子さん
平取町

日本語名
P0141
ヤマブドウ
伝承者のアイヌ語名/日本語名
【ア】ハッ
【日】ブドウ ヤマブドウ
伝承
・葉を、傷やできものができたときに貼りつけます。歯槽膿漏などでも、うみの吸い出しになります。34625,34729
・おばあさんがヤマブドウのつるに守られて、悪いクマから救われたという話があります。
→口承文芸資料「おばあちゃんとヤマブドウ」34690,34691
・毒に当たったときにブドウの神の力で助かったという昔話があります。34651

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