動物編 §070 ホンマス;セッパリ;カラフトマス
(1)topir トピリ ⦅美幌⦆ マスの背っ張り
(2)emoy エモイ ⦅白糠、美幌、網走、近文、布伏内、屈斜路、常呂、斜里、富内⦆ セッパリマス
(3)hemoy ヘモイ ⦅白老、幌別、穂別、様似、礼文、鵜城、多蘭泊、多来加、白浦⦆ セッパリマス K23 K32
注.――多来加の日常会話ではhemoyは単独では雄魚をさす。すなわち、
hemoy ♂
matte hemoy ♀
ただし合成語では一般称として用いる。
hemoy-homa マスの筋子
hemoyが♂ならこの語はノンセンスだ。
(4)aka-koro-hemoy アカコロヘモイ ⦅鵜城⦆ セッパリマス
注.――『コタン生物記』p.142に“セッパリマスのエモイも雌の呼び方はサクラマスや鮭と同じ様にホシというが、雄をトプリという別名で呼んでいる”とあるが、トプリはトピリ topir(-i)の誤りで、それは雄魚をさすのではなくて雄魚の背の肉瘤をさすのである。これは切って塩をつけて生食する。⦅美幌、屈斜路、斜里⦆
ウッカラチ、エラ(ササメ)これをみんな干す。そしてプーに入れておく。モトッは犬にやる。その他のものは人の越年用。イキキオキライ(ホッチャレマス)の焼干⦅多来加⦆
(5)hemoy-homa-cikaripe ヘモイホマチカリペ ⦅鵜城⦆ これには主としてエゾリュウキンカの根(ahturi)を入れる
(6)topir(-i) トピリ ⦅斜里、美幌、屈斜路⦆ セッパリマスの背の肉瘤。これは切って塩つけて(sippo usiして)生食する⦅美幌⦆