アイヌと自然デジタル図鑑

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アイヌ語辞典

動物編 §073 マスノスケ;オオスケ;クチグロマス;フキマス

(1)kenew ケネウ [kenew←kene←kennep←kemne-p]⦅近文1 足II⦆、[ベニマス(マスの王で6尺位もある)]⦅虻田、長万部、礼文、(B)、穂別、斜里、布伏内⦆、[夏ヌクイトキイル]⦅千歳(ラシャマス)、阿寒⦆、[夏、暑イトキ上ッテクル、大キイノニナルト6尺モアル]、⦅幌別⦆p.43(マス←ギンマス)ケイヂ kenne-cep.

(2)kutcunkur クッチュンクル ⦅虻田長万部⦆ クチグロマス

(3)caro kunne チャロクンネ [caro(その口)kunne(黒い)] Carokunne クチグロマス(藻汐草)

(4)apekes アペケシ 成魚 ⦅天塩⦆ マスの大助

(5)kamuy-cep pase-kur カムイチェプ パセクル ⦅美幌⦆ 普通の鮭より一回り大きくうろこの光り方も模様もちがう。網走川や常呂川では普通の鮭に混じって毎年1尾ぐらいとれる。マスノスケ Kamuycepのsapa-ne-kurである。これがとれると、下あごの骨をとって生のまま切り刻んで火神(ape-huci)にあげる。

(5)pase-kur パセクル ⦅美幌⦆ マスノスケ kamuy-cep sapa ne-kur(鮭の王) 網走川や常呂川で毎年1尾ぐらいkamuy-cepにまじってとれる。この下あごの骨をとって生のまま刻んで ape-huciにあげる。

(6)sakipe サキペ ⦅穂別屈斜路長万部、⦆
 注1.――赤い厚司衣(attus)を着た人間の姿になる。♂も♀も山中でフキとって食う。女ならば赤子を負い、山中を歩いてフキを取って食うと信じられている⦅美幌⦆マスノスケ、クチグロマス、フキマス
 注2.――口の中が黒いのでクチグロマスとも言う。またその黒いのはフキを食うからだと信じられ、フキマスとも言う。
 注3.――クマとったとき背負わせてやる。an-ainu-kor-peである。

(7)kenew ケネウ ⦅美幌⦆ マスノスケ。人間になって歩く。女になって子どもを負んぶして真っ赤な着物をきて。ある人が石狩と十勝の間でこれに会った。やらせた、誰にも言うなよ、その人は家へ帰って言った。すぐ死んだ。それからケネウが女になって歩くことが判明。

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