動物編 §095 サブロウ クマガイウオ
(1)ciros-ne-ipe チロシネイペ [<ciros(花矢)ne(のような)ipe(魚)] ⦅東静内、様似、白糠⦆ サブロウ
(2)ciros-ne-cep チロシネチェプ [ciros(花矢)ne(のような)cep(魚)] ⦅礼文華、虻田⦆ サブロウ
(3)ciros-ne-ceppo チロシネチェッポ [ciros(花矢)ne(のような)cep(魚)-po(指小辞)] ⦅長万部⦆ サブロウ
(4)ciros-cep チロシチェプ [ciros(花矢)cep(魚)] ⦅礼文華、千歳⦆ サブロウ
(5)ciros-ceppo チロシチェッポ [ciros(花矢)ceppo(小魚)] ⦅幌別、沙流、千歳⦆ サブロウ
注.――疱瘡神の魔除けにした(→分辞III,p.381)
(6)ciros-nu-ceppo チロシヌチェッポ [ciros(花矢)nu(もつ)cep(魚)-po(指小辞)] ⦅白老⦆ サブロウ
注.――『納紗布日誌』p.186に厚岸方言として「チロシノイベ」の図を掲げて、“背は甲の如し、尾尖りてかたく錐の如し”と附記している。ciros-nu-ipeあるいはciros-no-ipeとも言ったらしい。
(7)ikisani-ceh イキサニチェフ [<ikisani(錐)cep(魚)] ⦅富内、落帆⦆ サブロウ
注.――『納沙布日誌』p.186に図をかかげ、唐太方言「イキシャニチェッフ」として“イキシャニは錐、チェッフは魚のことなり”と附記してある。
(8)ikisah-ceh イキサハチェフ [<ikisap(錐)cep(魚)] ⦅新問⦆ サブロウ
(9)ikisah-cehpo イキサハチェヘポ [<ikisap(錐)ceppo(小魚)] ⦅白浦、鵜城⦆ サブロウ
(10)atane-ceppo アタネチェッポ [<atane(仙台蕪)cep(魚)-po(指小辞)] ⦅沙流⦆ サブロウ
(参考)ciros, atane, ni-us-araka(の治療には呪物として使う)