アイヌと自然デジタル図鑑

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アイヌ語辞典

動物編 §214 ひざらがい類(Placophora 有板類)

 動物 栗本匏庵遺稿曰、……
 「ムイ」は一種の介属なり、其大三四寸にすぎず、躶にして蠕動する。恰、石決明の殻を脱したるに似たりと雖も、其肉中に介あり、白色にして、形蝶翅を張りたる如く十余枚あり、相畳て体に満つ、介を去り、或は炙り、或は生にて醋に和して食ふ。極めて硬くして味も甚美ならず、土人の伝に、「ムイ」と石決明と、形極めて相似て、性極めて反せり、互に陣を張りて戦ひしに、「ムイ」終に敗れて退くと雖も屈せず、今に至りて、石決明此島をすぎて北する能はず、ムイも南する能はずと。(地名辞書28頁、亀田郡武伊島)
 松前志曰、「ムイ」はムイトマリより東方にあり、ムイとは、島の名なり、其形箕に似たり、夷人故に名づく、其肉味魚に類す。此処より東に鰒魚なし、夷人是を「ケロ」と云ふ。大和本草に福州府志を引て、牛蹄と云ふ物を記す。此物の類なるべし。

(1)meyo メヨ ⦅虻田礼文幌別⦆ ヒザラガイの類、オオバシヒザラガイ、ムイ(方言)

(2)kero ケロ ⦅様似⦆ ヒザラガイの類
 cf.松前方言ムイという貝なり(東蝦日誌179)

(3)arape アラペ ⦅白浦真岡⦆ arape-yampeとも

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