動物編 §262 ウミヤナギ
此辺に長三四尺位にて色灰白の蛇の如く、また魚の髭の如き物有。問ふにカムイハシュイ(神箸)と云。手にて皮を剥に白くして内地にて見る越王餘算(ウミヤナギ)(本草綱目)也。須〓の間に堅成て木の如し。土人の話しに、是は岩に生る物也と……中略……。是此地所々産るに始て岩に生たるを見たり。揺々とし波に漂ひ堅物にあらず、沙筋魚の名有も宜なる也。松前にて此箸を用ゆれば毒解になり、また簪にして刺すや、頭痛を治するともいへり。(納沙布日誌 p.201)。
(1)totto-kaykuma トットカイクマ [<totto(母)kaykuma(折柴)] ⦅幌別⦆ ウミヤナギの類
Cf. totta-kaykuma より上がった木。浜にあるのを集めて縄をかけてikorだと言って遊ぶ。(幌別)