動物編 §283 コウモリ類
(1)kapap カパプ ⦅胆振、日高、釧路⦆ 語源ははっきりしないがkap‘皮’kap-ne‘皮ばかりの・中身のない’kapar‘うすっぺらな’kappa‘なめし皮’などに関係があるらしい。kapの反復形kap-apで‘皮の如くうすっぺらなもの’の義であろうか。あるいはまたkapar-cikap[→(3)]の中略形でもあろうか。
(2)kapak カパク [<kapap] ⦅天塩⦆
(3)kapara-cikap カパラチカプ [<kapar(薄い)cikap(鳥)] ⦅根室⦆
注.――アイヌはコウモリを鳥の類に数えたらしい。アイヌ語では獣の群をtopaと言い、鳥の群をsayと言い、魚の群をrupと言って区別する。しかるにコウモリについては鳥と同じくsayを使ってkapap say(‘コウモリの群’ Cf. Kindaichi, YNK, p.582)と言う。
(4)toriyanka トリヤンカ ⦅富内⦆
(5)keputenka ケプテンカ ⦅多蘭泊⦆