動物編 §295 サカマタ;シャチ
(1)repunkamuy レプンカムイ [<rep(沖)un(にいる)kamuy(神)] ⦅北海道、樺太⦆
(2)reptakamuy レプタカムイ [<rep(沖)ta(の)kamuy(神)] ⦅もしおぐさ⦆
(3)reporunkamuy レポルンカムイ [<rep-or-un-kamuy(沖・中・にいる・神)] ⦅白浦⦆
(4)reporuntakamuy レポルンタカムイ [<rep-or-un-ta-kamuy(沖にいる神)] ⦅多蘭泊⦆
(5)atuykorokamuy アトゥイコロカムイ [<atuy-kor-kamuy(海を・支配する・神)] ⦅白浦⦆
注.――亀をもatuy-kor-kamuyまたはatuy-kor-ekasiと言う。⦅日高⦆
(6)tomarikorokamuy トマリコロカムイ [<tomari-kor-kamuy(入江を・支配する・神)] ⦅多蘭泊⦆
(7)ciohayaku チオハヤク [<ci-ohaya-kur(われらが・おそれる・神)] ⦅樺太⦆
(8)kamuycis カムイチシ [<kamuy-cip(神・舟)] ⦅樺太⦆
(9)kamuyhumpe カムイフンペ [<kamuy-humpe(神・クジラ)] ⦅胆振、日高⦆
(10)ikoykihumpe イコイキフンペ [<i-koyki-humpe(物を・とる・クジラ)] ⦅礼文⦆
(11)tominkarkur トミンカラクル [<tomi(宝物)inkar(見る)-kur(神)] ⦅幌別⦆
(12)kamuinkarkur カムインカラクル [<kamuy(神)inkar(見る)-kur(神)] ⦅幌別⦆
(13)isoyankekur イソヤンケクル [<iso-yanke-kur(海さち〔クジラ〕を・浜へ上げる・神] ⦅幌別⦆
(14)kamuyrametok カムイラメトク [<kamuy-rametok(神なる・勇者)]
注.――祈詞や神謡の中では(11)から(14)まで連ねて“トミンカルクル・カムインカルクル・イソヤンケクル・カメイラメトク”と称えることもある。
(15)mohacankur モハチャンクル [<mo-acane-kur(小さな・頭目である・神)] ⦅礼文⦆ シャチ神を兄弟二柱と考え、その弟神をさして言う。
Cf.‘モアシヤンクル’「鯨の小なるもの」⦅もしおぐさ⦆
(16)sihacankur シハチャンクル [<si-acane-kur(大きな・頭目である・神)] ⦅礼文⦆ シャチ神を兄弟二柱と考え、その兄神をさして言う。
Cf.‘シアシヤンクル’「鯨の大なるもの」⦅もしおぐさ⦆
(17)imonkanukarkur イモンカヌカルクル [<i-mon-ka-nukar-kur(われらの・手・の上を・見そなわす・神)] ⦅礼文⦆
(18)kamuyottena カムヨッテナ [<kamuy-ottena(神なる・頭目)] ⦅礼文⦆
注.――祈詞の中では(15),(16),(17),(18)を連ねて“モハチャンクル・シハチャンクル・イモンカヌカルクル・カムヨッテナ”と称える。
(19)ikoyki-kamuy イコイキカムイ [<i-koyki-kamuy(それ〔=鯨〕を・いじめる・神] ⦅長万部⦆