動物編 §324 ヨタカ
(1)erokrok エロクロク [<鳴き声] ⦅礼文華、幌別、千歳⦆
注1.――⦅B⦆にはerokrokiの形で出ている。
注2.――更科源蔵氏によれば屈斜路では「エロクロク」はRallus aquaticus indicus Blyth(クイナ)をさすと。
注3.――屈斜路では方言ウマボイ(馬追鳥)といい日の暮れ方と朝方に鳴くと。
(2)oraunkur kamuy オラウンクルカムイ [<o-ra-un-kur(地下界から来る神;あの世の神;-kurは今‘ひと’‘おかた’などの意になっているので、さらにていねいに-kamuyをつけてよぶ] ⦅屈斜路、美幌⦆
注.――この鳥はあの世が不景気になると出てくる幽霊鳥だと言ってコタンではきらわれる。野宿して焚火に当たっていると頭上へ来て「クレッ・クス・クエク」と鳴きながら飛びまわる。“ku-rek kusu ku-ek”(俺は鳴くために来た)の意だ。そのとき「うるさい! あっちへ行け」と言えば、いよいよ近くへ寄ってくるが、「よく来たな、もっと近くへ来て鳴けよ」と言えば、去って行くと。