動物編 §334 シマフクロウ
(1)kamuycikap カムイチカプ [<kamuy-cikap(神・鳥)、‘神である鳥’] ⦅幌別⦆
注.――さらにkamuyを添えて‘kamuy cikap kamuy’などという言い方をする。(神謡集p.2,74)。直訳すれば‘神である鳥の神’であるが、‘フクロウの神さま’の気持であろう。
(2)kamuy cikappo カムイチカッポ [<kamuy-cikap-po;-poは本来は指小辞であるが親愛の情を添えるのにも用いられる;‘敬愛する神鳥’] ⦅幌別⦆
注1.――神謡の中に次のような句が出てくる。‘pirka cikap-po! kamuy cikap-po’「美しい鳥さんよ! 神さまの鳥さんよ!」(神謡集p.2)‘toan cikap-po kamuy cikap-po’「あの鳥さん神の鳥さん」(〃pp.2,4)
注2.――⦅B⦆にkamui-chikappo ‘Blakistonʼs eagle owl’とある。
(3)kamuy-ekasi カムイエカシ [<kamuy(神)ekasi(翁)] ⦅幌別、沙流⦆ 【雅】
注.――⦅B⦆kamui-ekashi ʼBlakistonʼs eagle owlʼとある。B説話329
(4)kotan-kot-cikap コタンコッチカプ [<kotan-kor-cikap(村・所有する・鳥)、村を守護する鳥] ⦅美幌⦆
(5)kotan-koh-cikah コタンコホチカハ [<kotan-kor-cikap] ⦅新問⦆
(6)kotan-koro-cikah コタンコロチカハ [<kotan-kor-cikap] ⦅白浦⦆ =eturus.
(7)kotan-kor-kamuy コタンコロカムイ [<kotan(村)kor(所有する)kamuy(神)、村を守護する神] ⦅幌別、沙流、屈斜路、美幌⦆
注.――‘hu! hum!’と鳴く⦅屈斜路⦆
(8)mosir-kor-kamuy モシリコロカムイ [<mosir(国土)kor(を所有する)kamuy(神)] ⦅幌別⦆ 【雅】
注.――kotan-kor-kamuyと対語にして用いる。
(9)eturus エトゥルシ [<?] ⦅富内、白浦、多蘭泊⦆
(10)niyas-kor-kamuy ニヤシコロカムイ [<ni-has-kor-kamuy(木・条・もつ・神)] シマフクロウ コ160 B説327
(11)ya-un-kontukai ヤウンコントゥカイ ⦅B⦆ B 説390
(12)ya-un-kotchange-gusu ヤウンコッチャンゲグス ⦅B⦆