動物編 §367 ツル(鶴);タンチョウ
(1)sarorun-cir サロルンチリ [<sar(葦原)or(内)un(にいる)cir(鳥)] ⦅春採、白糠⦆
(2)sarorun-kamuy サロルンカムイ [<sar-or-un-kamuy(葦原・内・にいる・神)] ⦅屈斜路⦆
注.――⦅コタン生物記、p.193⦆「サルルンカムイ」
(3)sarorun サロルン [<sar-or-un-cirの下略] ⦅礼文華、平取、荻伏、静内、屈斜路⦆
注.――⦅和愛辞典⦆に「オクンネシャロルン」真鶴(まなづる)、「ポンシャロルン」雛鶴(ひなづる)。
(4)sarurun サルルン [<sar-or-un] ⦅富内⦆
(5)saroruy サロルイ [<sar-o-uy(葦原・にいること・多い)] ⦅幌別⦆
(6)nuhka ヌフカ [<nup-ka-o-rew-cir(葦原・上・に・降りる・鳥);この場合のnuhはki-nuh「葦・原」の意] ⦅富内⦆
補1.komaki(チシマ)鶴
補2.和愛辞典No.742:丹頂鶴クットコ(東)、クットク(西)。kut-toko「首を・つきだす」「仰向く」。o-kut-toko「そこから・首を・つきだす」(葦原から首を突き出して上を見る)か。
(参考)松前志に丹頂をオシヨロチカブと云、とある。[osoro-cikap は直訳すれば「尻・鳥」だがあるいはo-sar-o-cikap(葦原にいる鳥)の転か]
(参考)藻汐草に‘善知鳥’‘つなぎ’として、ヲンネチカプをあげている。また和愛辞典No.608にはアチウチカプとある。