動物編 §414 (その他の鳥名)
sikator-kamuy シカトロカムイ ⦅幌別、美幌、名寄⦆ =payekay-kamuy.
――名寄生まれの古老の話:昔宗谷から抜海へかけてアイヌの部落がたくさんあった。ある時抜海の沖の方をsikator-kamuyが群れをなして飛んで行くのが聞こえた。生後10日〜20日ぐらいの犬の子の泣くのとそっくりだ。流行病の神にはinaw(木幣)の姿を見せるのはa-ko-oripak-pe(もったいないもの)だから決して見せぬ。白い犬の子のつがいの腹を割いてその血を部落の一軒一軒に塗ってあるいて、それでkotan e-piru(部落を清め)した。宗谷ではsoya-nispa(宗谷の酋長)が、村端れにいた老婆を殺してそれで、kotan epiruした。なお、omke-kamuy(流行病)が流行するときは、haru-e-kamuy-nomi(食糧・で・神を・祭る)をする。タバコ、ギョウジャニンニク、オオウバユリの根茎、キハダの果実等をharu-ikkew(食糧の中心)にして、その他米、粟、乾魚等を村人が持ち寄って、これをさしあげますからこの部落だけru kamare(通り越し)てくださいと、それも直接祈らずに、火の神に言づてて祈り、その食料を戸外の幣場に持って行って納めておく。