植物編 §012 ゴボウ(牛蒡) Arctium Lappa L.
(1)seta-korkoni セタコルコニ [seta(犬)korkoni(フキ)] 葉柄 ⦅幌別⦆
(2)sita-korkoni シタコルコニ [sita(犬)korkoni(フキ)] 葉柄 ⦅様似、足寄、芽室、屈斜路、美幌⦆
(3)seta-kina セタキナ [犬・草] 葉柄 ⦅白浦⦆
(4)ipakokarip イパコカリプ [i(我らの)pa(頭)ko(に)kari(からみつく)p(もの)] 果実 ⦅美幌、屈斜路⦆
(参考)葉を「シト」(sito しとぎ 粢)に搗き混ぜて食べ、根も汁の実にした。葉はまたもんで傷口につけあるいは腫物の膿を吸い出すのに用いた(幌別)。
果実は多量に採集して「プ」(pu 倉)の下の地面にまき散らし、また「プケマ」(pu-kema 倉・脚)に結びつけておくと、ネズミが恐れて近づかぬという(美幌、足寄)。
この果実は体に着くと離れぬので、熊もそれを見れば恐れて近づかぬ。それで、山中の川端に建てて凍鮭を貯えておく「ニプ」(ni-pu「木・倉」)の下には必ずこれを大量にまいて野獣の襲撃を防いだ(美幌)。
この果実は誰の体に遠慮なく付着するので、人間でも無遠慮な者のことを「イパコカリプ ネナン」(ゴボウの実のようだ)という(屈斜路)。