植物編 §075 ガガイモ Metaplexis japonica Makino
(1)cituyrep チトゥイレㇷ゚ [cituyre(ちぎれる)p(もの)] 根 ⦅長万部、幌別⦆⦅A沙流・鵡川・石狩・千歳⦆
注1.――この植物の根は地中に深く入りこんでいるので掘り出すとき容易に切れるからその名がある。
(2)cituyrep-cippo チトゥイレㇷ゚チッポ [ガガイモの小舟] こっとつの開裂した果皮 ⦅幌別⦆
(3)hakketek ハッケテㇰ [hakketek(帆立貝の貝殻)] こっとつの開裂した果皮 ⦅足寄⦆
注2.――開裂した果皮が帆立貝の殻に似ているのでこの名がある。(図=略)
(4)epunkaw エプンカウ 種子 ⦅穂別⦆
(参考)バチラー博士の辞書には「このさやをアイヌはしばしば生で食う。余はこの植物の生なさやを食べすぎてけいれんを起こし、口から泡を吹いている若者を見たことがある。根は普通煮て食う」「この植物の根は非常に深く走り、そして食糧として掘り出されるが、食べすぎると中毒をひき起こすという。さやを多く食べると腹が痛くなる」とある。