植物編 §090 ハナヒリノキ Leucothoe Grayana Maxim.
(1)aypaskanni アイパシカンニ 茎をいう ⦅真岡⦆
(2)aypaskeni アイパシケニ 茎をいう ⦅A十勝・沙流⦆⦅天塩⦆
(3)ayneni アイネニ [ay(矢)ne(になる)ni(木)] 茎をいう ⦅長万部⦆
(4)aynini アイニニ [<ayneni] 茎をいう ⦅穂別⦆
(参考)樺太の真岡では、この木で箸を作った。その箸で食えば何を食っても中毒しないという俗信があったのである。a-e-pasuy-kar-ni[われら・それで・箸を・つくる・木]のごとき民衆語源解から生じた習俗であろうか。風邪の時、胸の痛む時、この木の削りくずを煎じて飲んだ。天塩の名寄では、矢毒を調製する際、これを混ぜて使ったという。