日本語名:エンジュ イヌエンジュ
アイヌ語名:チクペニ
利用:薬用、生活用具、祈り
植物編 §185 エンジュ イヌエンジュ Maackia amurensis Rupr. var. Buergeri Schneid.
(1)cikupeni チクペニ 茎 ⦅北海道全域⦆
(2)cikupenni チクペンニ 茎 ⦅美幌、屈斜路、名寄⦆
(参考)この木は、強いにおいを発するので悪神が近づかぬと信じ、枝を取って来て、あるいは皮とイケマの根と一緒にして、魔よけに戸口や窓口にさした。また、家の柱の材には、必ずこの木とハシドイとを混ぜて使った。その他、臼杵等の器材を作った(幌別)。家の神の木幣は、必ずこの木で作る。そういう大切な木だから粗末に扱ってはならない。たきぎなどにすることは決してない(様似)。悪疫流行の際は、この枝を取って来て棒幣を作り、他の部落に通じる分かれ道の所や、家の戸口、窓口などに立てた。陰萎(「オライ」o-ray[陰部・死ぬ])になった際、この木の皮を鍋に入れて、その湯気でふかすと効がある(美幌)。