植物編 §200 ダイコンソウ チシマダイコンソウ オオダイコンソウ Geum japonicum Thunb. / Geum macrophyllum Willd. / Geum strictum Ait.
(1)pon-rayta ポンライタ [pon(小さい)rayta(いが)] 痩果 ⦅虻田、有珠、幌別⦆
注1.――この地方では、ライタと言えば栗のいがをさす。そこで、それと区別してポン(小さい)と言った。
(2)seta-rayta セタライタ [犬・いが] 痩果 ⦅穂別、千歳、真岡⦆⦅A千歳・沙流・十勝⦆
注2.――犬の頭に付着したが最後なかなか取れないのでそう言った。
(3)sita-ipakokarip シタイパコカリプ [sita(犬)ipakokarip(頭にからみつくもの)] 痩果 ⦅美幌⦆
注3.――「イパコカリプ」は、i(我らの)pa(頭)ko(に)kari(からみつく)p(もの)の義で、ゴボウの果実(§12)、キンミズヒキの果実(§192)等にもいう。
(4)rayta ライタ 痩果 ⦅白浦⦆
注4.――真岡では、ただraytaと言えばゴボウの痩果をさす。
(参考)下痢の際、この根を煎じて飲んだ(美幌)。穂の出ないうちに全草を取って糸で束ねて乾かしておき、神経痛などにそれを風呂(tompuri)に入れて湯治した(真岡)。