アイヌと自然デジタル図鑑

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アイヌ語辞典

植物編 §248 チョウセンゴミシ Schizandra chinensis Baill.

(1)hure-hat フレハッ [赤い・ブドウ] 果実 ⦅足寄名寄⦆⦅A十勝川筋⦆
 注1.――hurehat-nikaop(赤ブドウという木の実)とも言う(名寄)。

(2)hureat フレアッ [<hure-hat] 果実 ⦅美幌

(3)repni-hat レプニハッ [撥・ブドウ] 果実 ⦅幌別穂別様似⦆⦅A十勝沙流千歳等⦆

(4)rehnihah レヘニハハ [<repni-hat] 果実 ⦅真岡
 注2.――語源はhurep-ne-hat(赤実・の・ブドウ)だったかもしれない。それがrepni-hat(rehni-hah)になったについては、repni(rehni)すなわちシャーマンの太鼓(kaco)を鳴らす撥への連想が働いたに違いない。現に、樺太ではこの茎で太鼓の撥を作ったという。

(5)hureat-punkar フレアップンカル [赤いブドウ(のなる)・蔓] 蔓をいう ⦅美幌

(6)repnihat-punkar レプニハップンカル [赤実のブドウ(のなる)・蔓] 蔓をいう ⦅幌別穂別様似

(7)tesma-kar-punkar テシマカルプンカル [かんじき・つくる・つる] 蔓 ⦅屈斜路
 注3.――『コタン生物記』では「テシマッキプンガラ」(屈斜路)と出ている。

(8)tesma-kara-punkara テシマカラプンカラ [かんじき・つくる・つる] 蔓をいう ⦅真岡
(参考)名詮自称(=その名の通り)、この蔓でシャーマンの太鼓の撥や雪の上を履いて歩くかんじきを作った(真岡)。目の悪い時、この蔓の煎汁で洗った。風邪の時も、それを飲んだ(穂別、様似)。この蔓は熱さましにいいと言って風邪など引いた時、それを輪にして粥の中に入れ、「プンカルサヨ」(punkar-sayo[蔓・粥])というものを作ってすすった(美幌、足寄)。果実も生食した。蔓も果実も秋に採集して乾かし貯えておき、冬の用に備えた(幌別)。

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