植物編 §255 ニリンソウ Anemone flaccida Fr. Schm.
(1)pukusa-kina プクサ・キナ 茎葉 ⦅長万部、幌別、荻伏、様似、美幌、名寄、白浦⦆
注1.――「プクサ・草」の義。プクサと言えば普通はギョウジャニンニクの葉をさす。それとの関係は不明。
(2)ohaw-kina オハウ・キナ [ohaw(汁)kina(草)] 茎葉 ⦅鵡川⦆⦅A胆振国ヲサツ⦆
注2.――この草の若い茎葉を汁の実にしたのでこの名がある。
(3)『ニセウピラ』 ⦅D 屈斜路⦆
注3.――正しい形はnisewpe-raであろう。nisewpeは他地方ではウラベニイチゲ(の花?)をさし、raは葉または花をさす。
注4.――北海道・樺太の和人は普通にこの草をフクベラという。「プクサキナ」と「ニセウペラ」との混同形か。