アイヌと自然デジタル図鑑

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アイヌ語辞典

植物編 §288 ノダイオウ Rumex domesticus Hartm.

(1)sunapa スナパ 茎葉(あるいは根) ⦅幌別穂別名寄⦆⦅A沙流鵡川千歳有珠等⦆
 注1.――幌別・名寄では茎葉をさすと言ったが、穂別では根をいうと主張した老人があった。
 注2.――ギシギシの類(species of Rumex)は、大抵同じ名で呼ばれる。

(2)sunapa-amam スナパ・アマム [スナパに生ずる穀] 果実 ⦅幌別穂別名寄⦆⦅A沙流鵡川千歳有珠等⦆
 注3.――「スナパ・アママ」sunapa-amama(スナパ・の穀)とも言う。「酸模はシユナバアママと云て飯に炊き候よし」(松浦竹四郎、納沙布日誌)とあるのは、これである。

(3)makaro マカロ 茎葉 ⦅様似美幌屈斜路

(4)naycaus ナイチャウシ [nay(川)ca(岸)us(に群生している)] 茎葉 ⦅白浦

(5)naycus ナイチュシ [<naycaus] 茎葉 ⦅白浦

(6)naruhka ナルフカ 果実 ⦅白浦
 注4.――sunapaもmakaroもnaycusも、それぞれの地方においてギシギシ属(Rumex)に属する他の植物、例えばスイバ、ギシギシ、エゾノギシギシ、ナガバギシギシ等のどれをもさすようである。

(7)umma-sukkakep ウンマスッカケプ [umma(馬の)sukkake(すっぱい)-p(もの)] 根 ⦅礼文華
(参考)根はすり潰して、たむし・ひぜん等に塗った。果実は乾かして臼でつき、箕であおって外皮を除き、飯にたいて、油をつけて食べた(幌別)。その果実は枕にも入れた(名寄、白浦)。小便つまりに、根を煎じて飲み、性病にもそれを飲みながら、別にそれを沸かして腰湯を使った(釧路)。

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