植物編 §321 イヌコリヤナギ Salix integra Thunb.
(1)uray-susu ウライ・スス [uray(梁)susu(ヤナギ)] 茎 ⦅A有珠⦆
注1.――この枝を梁柴に用いたから。
(2)ura-susu ウラ・スス [<uray-susu] 茎 ⦅A沙流・鵡川・千歳・石狩⦆
(3)hura-susu フラ・スス [<ura-susu] 茎 ⦅荻伏⦆
注2.――ただし、土地の人はhura(臭い)-susu(ヤナギ)を意識しているかもしれない。
(4)situskor シトゥシコル [si(本当の)tus(縄)kor(もつ)] 茎 ⦅A十勝・上川⦆
(参考)名の示す通り、これを梁柴に用い、また皮から縄を製した。この樹皮は傷薬にもなった。とりたての樹皮を小刀で刻み、しばらく熱湯に浸してやわらかくした上で傷口に当てて包帯しておき時々取り替えるのだという(B)。内皮を石で叩いてそれを丸め、虫歯の穴に詰めると痛みが止まる(沙流)。