植物編 §349 ナルコユリ Polygonatum falcatum A. Gray
pon-etororatkip ポン・エトロラッキプ [pon(小さい)etor(鈴)o(そこに)ratki(下がっている)p(もの)] 茎葉 ⦅幌別⦆
注1.――etor(鈴)はこの植物の花をその形に基づいて名づけたものである。etor-o-ratki-p(鈴が・そこに・ぶら下がっているもの)と言えば普通にはオオアマドコロをさす。ナルコユリの花はそれより小さいのでpon(小さい)という語をかぶせたのである。
注2.――文献には下記のごとき語形も見えている。いずれも採集地を示していない。
etoruratkip⦅A⦆
etoruratki-nonno⦅B⦆
後者はこの植物の花(nonno)だけをさす名称であろう。なお、バチラー氏によれぱこれをオオバタケシマラン(Streptopus amplexifolius DC.)に擬する人もあるという(B)。