植物編 §352 ツルボ Scilla Thunbergii Miyabe et Kudo
(1)seta-toma セタ・トマ [seta(犬)toma(エゾエンゴサクの塊茎)] 鱗茎 ⦅荻伏⦆
(2)sita-toma シタ・トマ [seta(犬)toma(エゾエンゴサクの塊茎)] 鱗茎 ⦅様似⦆
(参考)辞書には、この球根は食わぬとあるけれども、日高国静内郡に「ハルタウシナイ」[haru(食糧)ta-us(いつもそこで掘る)nay(沢)]という地名があって、文献の説明する所によれば、「此所喰草多きに依て号く。此処の草はセタトマとて漢名綿棗児(ツルボ)の事也」(松浦竹四郎、東蝦夷日誌)、「此沢ニ「セタトマ」トテ和名「ツルボ」多クアリ土人採リテ食フ」(蝦夷語地名解、p.252)とある。