アイヌと自然デジタル図鑑

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アイヌ語辞典

植物編 §362 ショウブ Acorus Calamus L.var.asiaticus Pers.

(1)suruku-kusuri スルク・クスリ [surku(トリカブトの根、毒)kusuri(薬)] 根茎 ⦅幌別穂別足寄⦆⦅A沙流鵡川千歳
 注1.――この根をsurkuの解毒剤に用いたのでこういう名が付いたのだという(穂別)。

(2)pawci-kina パウチ・キナ [pawci(魔)kina(草)] 茎葉 ⦅名寄
 注2.――“魔よけ草”の義。pawciは、樺太の古謡では巫女の義に用いられた例がある。本来は巫女の憑き神だったかもしれない。しかし、北海道では、狂気淫乱の魔を意味するのが普通である。(→知里真志保、アイヌおばけ列伝、北海道郷土研究会会報No.3、p.6〜7)。→補注(29)。
(参考)根を煎じて腹痛に飲み、あるいは全草を煎じて打身の患部を洗う(幌別、穂別、足寄)。
 また、この植物を植えると蛇が来ぬと言って家の傍らに植栽した(幌別)。
 子どもの虫腹に、この根を生のままおろして飲ませた(幌別)。

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