植物編 §445 ホクチダケ Fomes fomentarius Fr.
(1)apeop-karus アペオプ・カルシ [“火鉢・キノコ”の義、ape(火)、o(入る)、-p(もの)、apeop(ひばち)] ⦅幌別⦆
注1.――辞書にはAbe-op-karushとある。
注2.――蝦夷草木志料には、樺の木に生じるキノコをアヘヲッカルシと言って引火の料とするという、とある。登別の採集。
(2)pasnekarus パシネカルシ [pas(炭)ne(になる)karus(キノコ)] ⦅幌別⦆
(3)tatni-karus タッニ・カルシ [カバノキ・キノコ] ⦅A千歳⦆
(4)pero-ni-oma-karush 『ペロニオマカルシュ』 ⦅B⦆
注3.――「ペロニ・オマ・カルシ」peroni-oma-karus(ナラの木・に生じる・キノコ)か。
(5)Kappara 『カッパラ』 ⦅B⦆⦅D屈斜路⦆
注4.――辞書にはなおKapara-karush、及びkappara karushの形が見えている。
(参考)このキノコを乾燥して粉末にし、そのままで、あるいはそれに煤を混ぜて火口に用いた(B)。悪疫流行の際、あるいは魔物の出現の噂のある場合、魔除けの意味でこのキノコに火を点じて終夜戸外に放置しておいた(幌別)。